○かすみがうら市財務活動管理方針

平成28年8月17日

告示第80号

第Ⅰ 総則

1 本方針の目的

資金調達と資金運用に関わる財務活動の原則及び管理方針を定めて、資金の安全性及び効率性の実現を図ることを目的とする。

2 法令等との関係

地方自治法、地方自治法施行規則、地方財政法、地方公営企業法、かすみがうら市財政調整基金条例及びその他の基金条例に定めるものを除くほか、本方針の定めるところによる。

3 適用範囲

本方針は、歳計現金、歳入歳出外現金及び基金について適用する。

4 財務活動の原則

(1) 資金の安全性に係る信用リスク、流動性リスク及び金利変動リスク等の適切な管理を通じて、効率性の向上を図る。

① 効率性の向上

金融取引においてリスクとは不確実性という意味であり、リスクを引き受けることでリターン(収益)が発生する構造にあるため、リスクをいたずらに回避するのではなく、リスクの性質や程度を見極め、適切にコントロールすることで、支払利息の削減及び運用収益向上を図る。

② 信用リスクへの対処

個々の金融商品元本の確実な保全のため、安全な金融商品の選択、預金保護のためのペイオフ対策、取引金融機関経営健全性指標に留意する。

③ 流動性リスクへの対処

必要なときに必要な資金を調達するために、資金の統合管理、市場金利を反映する短期資金調達及び償還期間の適切な設定を行う。

④ 金利変動リスクへの対処

金利の変動とは市場金利の上がり下がりであり、債券価格は逆の方向に変動する。

償還期間を短期化することで、金利変動リスクを抑制し、利息削減が図られるが、償還期間を長期化すれば金利変動リスクが高まり、利息は高くなる。

償還期間や金利固定期間の短期化の工夫を通じて調達コスト削減を図る。

市場利回り上昇は保有債券価格下落をもたらすが有利な債券に入れ替える機会であり、市場利回り低下は保有債券価格上昇をもたらす。市場金利変動と債券価格変動に統一して対処するために、保有債券等の継続的な入れ替えを通じて、運用資金の適切な構成と運用益の上昇を図る。

(2) 預金預入金融機関が破綻した場合の対応

直ちに、預金の名寄せを行い、相殺すべき市債と預金の特定を行い当該金融機関精算人に申し入れるとともに、預金を財源に市債繰上償還を行うための予算措置を行う。

(3) 預金保護のためのペイオフ対策

① 資金管理状況の一元的把握を会計管理者が行い、借入状況の一元的把握を政策経営課長が行い、預金と借入金の相殺を図るものとする。

なお、金融機関破綻時には、決済用預金は金額の制限なく預金保険機構等による保護対象となること及び金融機関毎に1千万円以下の利子付預金は保護対象になるが、その名寄せ範囲は、一般会計、特別会計、公営企業及び市役所組織名預金であることに留意する。譲渡性預金は、預金保険等の保護対象外であるが借入金との相殺が可能である。

② 利子付預金預入の相殺枠は、金融機関毎に借入金と1千万円の合算額を限度とするが、相殺枠を超える資金は決済用預金又は債券で運用することを基本とする。

③ 利子付き預金が相殺枠を超える場合、金融機関経営健全性指標の基準を満たせば、信用枠の範囲内で、預金ができるものとする。

ただし、金融機関の経営健全性が参考指標等を含めて認められ、及び預金の収益性が特に認められる場合に、信用枠の運用を行うものとする。

④ 市役所組織名預金は決済用預金に預入するものとする。

5 資金管理会議

この方針に基づく財務活動は、かすみがうら市公金の管理及び運用基準(平成23年かすみがうら市訓令第4号)第9条に規定するかすみがうら市公金管理協議会で協議する。

6 財務活動に従事する者の責任

運用資金は市民から預かった財産であり、調達資金は市民の負債となることを踏まえ、市民の利益を第一目的とし、法令及び本方針に定める諸要件を誠実に遵守しなければならない。このため、ファイナンス能力の向上に努めるとともに、金融情勢等に対して、一般の金融業務従事者が払うべき注意を怠ってはならない。

市民に対する説明責任の遂行及び他団体との情報共有による成果向上を目的として、財務活動状況及び活動実績を公表するものとする。

第Ⅱ 資金調達及び資金運用の考え方

1 短期資金(期間1年以内)の調達及び運用

(1) 財務活動の基本的な考え方

各課から収入及び支出計画を聴取することにより、支払資金の過不足を把握した上で、短期金融市場の金利水準に注意を払い、確実かつ有利な金融商品を選択する。

(2) 資金調達

短期金融市場に連動した金融商品を基本に資金調達を行う。

資金の長期運用を阻む要因である、基金の繰替運用や短期プライムレートでの一時借入等は原則行わない。

緊急の支払いに対処するため、当座貸越による資金調達を行うことができる。

(3) 資金運用

ペイオフ対策のため、決済用預金を基本とするが、余裕資金の運用は、以下から選択する。

ア 国庫短期証券

イ 国庫短期証券買い現先取引

ウ 期間1月以内の譲渡性預金や1年以内の定期預金

2 長期資金(期間1年超)の調達及び運用

(1) 財務活動の基本的な考え方

国債金利が最も低く、地方債金利、一般企業の社債金利の順に、それぞれの資金調達団体の信用リスクの程度に応じてリスクプレミアム利率が付される要因と償還年限の長さに応じて流動性リスク等が高まり金利を引き上げる要因が、統一的に作用して金融市場の金利が決定される。

調達(借入=市債発行)と運用(貸付=債券購入、預金)は、貸借という金融活動の中の表裏として統一して捉えるべきであり、ともに償還年限に応じた国債利回りを基準にリスクプレミアムを付して金利が決定されること、及び金融市場の動向並びに各種リスクを踏まえて、安全かつ最も効率的な金融取引を行うものとする。

(2) 資金運用

① 資金の目的に応じた運用の原則

ア 定額運用基金

流動性確保を一義的な目的として、決済用預金を基本に運用する。

イ 果実運用型基金・積み立て型基金

一括運用の部分としての運用であり、個々の基金の取崩し予定額を把握して、余裕資金は、中期、長期及び超長期商品での運用及び債券入替えによる売却益の確保を図る。

ウ 歳計現金、歳計外現金、企業会計資金

余裕資金は、中期、長期並びに超長期商品での運用及び債券入替えによる売却益の確保を図る。

② 一括運用

会計管理者が保管すべき基金は、定額運用基金を除いて、一括運用を行う。公営企業から運用受託する資金は公営企業資金運用基金に積み立てて一括運用を行うものとする。

一括運用の目的は、事務の簡素化を図るとともに、予期せぬ基金取崩しに基金全体で対処することで、長期運用を可能にする環境をつくり、効率性向上を図るものである。

運用収益の配分は、年2回、9月末時点及び3月末時点の基金残高の割合で按分し、按分による端数が発生する場合は、財政調整基金で調整するものとする。

③ 金融商品

歳計現金、歳入歳出外現金及び基金に属する現金の保管は、次に掲げる金融商品により行う。

ア 預金

決済用預金、定期預金、期間半年以内の譲渡性預金

イ 有価証券

満期まで概ね30年以内の次の債券に限る。

日本国債

日本政府機関債(政府保証債、財政投融資機関債)

地方債

地方公共団体金融機構債

3 金融商品保管の原則

預金の解約又は債券売却は、次の場合に行うものとする。

① 資金の安全性を確保するために必要な場合

② 流動性を確保するために必要な場合

③ 収益性向上のために、金融商品の入れ替えを行う場合

4 債券の運用指針

(1) 取得方法

市長又は事業管理者の決裁を受けた後、証券会社との相対取引又は複数の証券会社による引き合いのいずれかにより、確実かつ効率的な方法で債券取得を行う。

(2) 償却の方法

① 経過利息の償却方法

ア 既発債券の購入日が利払日の前であった場合等には、売り手の保有日数に応じて経過利息を支払うが、当該債券の最初の受取利息の中から経過利息相当額を収入調定せず、すなわち予算を通さずに受け入れることにより、経過利息の償却を行う。基金に属する債券は歳計現金から基金に償却相当額の現金を移動する必要がある。

イ 企業会計においては、償却原価法により、経過利息の償却を行う。

② オーバーパー(額面超過額)債券の額面超過額の償却方法

ア 額面超過額は、満期までに受取利息で償却を行う。

イ 債券入れ替えの場合は、受取利息のみで額面超過額に達しなければ、売却益を使用して、額面超過額の償却を行うことができる。

ウ 企業会計においては、償却原価法により、簿価と額面の一致を図る。

(3) 債券台帳の記載事項

市長公室長は、債券台帳を備え、常に債券の状況を明らかにしておかなければならない。

① 購入時は、次の事項を記載する。

購入債券の銘柄、約定日、額面、購入価格、クーポン(表面利率)、利回り、発行日及び償還日、金利支払日、購入単価、経過利息、発注業者、口座管理業者

② 売却時は、次の事項を記載する。

約定日、売却価格、売却単価、所有期間利回り、受渡日、経過利息、発注業者、売却理由

(4) 債券の収益性の評価基準

債券の効率的な運用実現のためには、予算単年度主義による短期的な損益の成果追求ではなく、経営的な視点による、複数年度を通算した損益による収益性の評価が必要である。

債券を満期保有した場合も債券を売却した場合も、収益性の評価はともに、単年度損益でなく、所有期間を通じた利回りの多寡によるものとするが、債券入れ替えを行う場合は、新たに取得する債券の所有期間利回りを含めて収益性の評価を行う。

なお、債券売却の場合は、満期までの償還期間短縮に伴う含み益増加(ロールダウン)効果による売却益及び債券残存期間に対応する債券の市場利回りと債券表面利率の調整としての売却益又は売却損が想定される。

第Ⅲ その他

1 この方針は、必要に応じて見直す。

2 この方針に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

附 則

この告示は、平成28年8月17日から施行する。

附 則(平成31年3月29日告示第29号)

この告示は、平成31年4月1日から施行する。

かすみがうら市財務活動管理方針

平成28年8月17日 告示第80号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第7編 政/第1章
沿革情報
平成28年8月17日 告示第80号
平成31年3月29日 告示第29号